咲くやこの花

「ハナミズキ」が咲きだしました。

ハナミズキ(花水木、別名アメリカヤマボウシ、返礼の木)
ハナミズキの名はミズキの仲間で花が目立つことに由来し、アメリカヤマボウシはアメリカ原産で日本の近縁種のヤマボウシに似ていることから呼ばれる名前です。
実はこの花、国際親善の花なんです。大正時代に、東京市長からアメリカ・ワシントンにサクラを送ったお礼にいただいた花が、北米を代表するハナミズキだったそうです。この話は、以前は中学校の英語の教科書にも載っていたそうですから、知っている方もいらいらっしゃるかもしれません。そのため、ハナミズキは「返礼の木」とも呼ばれるようになったそうです。

観賞の対象となっている「白い4枚の花びら」は本来の花弁ではなく、「総苞(そうほう):花のつけ根の葉」です。その「総苞」の先端が少し変色しているのがわかると思います。これは、開く前に4枚の「総苞」がくっついているためなのです。
そして、「総苞」の中心の塊が「花序(かじょ)」で、実際の花は、4弁の直径5mm程度の小さな花が集合して順次開花します。

赤い色のハナミズキも咲き出しました。

 

「カエデ」の花も咲いています。花も葉も淡い黄色です。カエルの手(足?)に似ているところから「蝦手(カエルテ)」→カエデ。


カエデ(楓、蝦手、英語圏ではメイプル、分類:バラ類>ムクロジ目>ムクロジ科>カエデ属>〇〇種)
当館のカエデも小さな花が咲きました。この仲間の代表的な木はモミジ(イロハモミジ(イロハモミジは花が下向きに咲きます)など)ですが、カエデは園芸種など種類も多く種の特定は難しいそうです。当館のカエデは、イタヤカエデ(板屋楓)でしょうか。花が咲き、同時に葉も開き始めました。

カエデの花は小さな花ですが、「雄花」と「雌花(両性花)」があります。同じ木に「雄花(写真左:雄しべが立っているのがわかります)」と「雌花(写真右:花の中央の雌しべの先端がYの字に広がっています)」が混在しています。一本の木に「雄花」と「雌花」が咲くことを「雌雄同株(しゆうどうしゅ)」というそうです。

花が咲くということは、果実もできます。写真は、昨年秋の大風の後に採集したこのカエデの果実です。花は「風媒花(ふうばいか)」と呼ばれ、虫たちに受粉のお手伝いをしてもらうのではなく、花粉を風に運んでもらいますが、果実も風の力を利用して遠くまで種を飛ばします。果実は、片翼の「翼果(よくか)」が二つずつ種子側で密着して両手を上に広げたような形をしています。木から脱落するときは、中央の種子の部分で分離し、クルクル回転しながら落ちることで滞空時間が長くなり風に乗り遠くまで飛ばされます。ちなみに、種子の部分で分離しないでY字形のままだと回転せず、そのまま下に落ちてしまいます。おそるべし!自然界のふしぎ!

当館の「お楽しみワークショップ」の「飛ぶたね」を紹介します。実は、「飛ぶたね」のお手本の一つがこのカエデの果実なのです。「飛ぶたね」では、写真の4種類の「たね」を折り紙などで作ります。「ニワウルシ(上左:赤)」、「ラワン(下左:白)」、「アルソミトラ(右:ピンク)」、そして下の中央が「カエデ(青)」の4種類です。「カエデ」は、種子にあたる部分の紙を折り重ねステープラで留めます。これで本物の「カエデのたね」と同じようにクルクル回りながら落下します。ご自宅でもできると思います。体験してみてください。