ミニトピックス展「習志野隕石!」

ミニトピックス展
「習志野隕石

会 期 令和2年11月10日(火)~令和3年2月28日(日)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合翌平日)
    12月28日(月)~令和3年1月4日(月)
会 場 千葉県立中央博物館 2階ホール


 

令和2年7月2日未明、関東・東海地方の各地で「火球(かきゅう)」が観測され、習志野市及び船橋市で隕石の落下が確認されました。国内53例目、県内では2例目の隕石発見です。
 この隕石が「習志野隕石(ならしのいんせき)」として正式に国際隕石学会に登録申請されたことを契機として、隕石の科学分析を行った国立科学博物館とともに、同隕石の実物を初公開します。併せて、火球の観測から隕石の発見に至った経緯や、その後の分析で明らかになった隕石の岩石学的な性質についても解説します。

 


 

火球の観測から隕石の発見へ

 令和2年7月2日未明、関東地方から東海地方にかけて大火球が観測されました。

大火球(平塚市)
●観測された火球
観測場所…神奈川県平塚市(平塚市博物館 藤井大地氏提供)

 

 流星観測を常時行っているSonotaCo Networkは各地の観測データからすぐに火球の経路を解析し、千葉県北西部に隕石落下の可能性があることを示しました。

SonotaCo 経路図
●火球の経路解析図
黄色い線が火球の経路。青線はその後の予測(SonotaCo Network提供)。

 

 メディアによるニュース報道を受け、千葉県習志野市での隕石発見につながりました。

隕石1号
●習志野隕石1号(習志野市落下:7月3日、4日発見)
当館での展示は右側の破片(個人蔵)。左側は国立科学博物館で展示されます。

 回収された時期が異なり、右側の破片は2日間雨に打たれていたため、含まれる鉄分が錆びています。
 黒い部分は隕石の表面で、大気との摩擦で高温になり表面が溶けたのち急冷してできる「溶融皮殻(フュージョン・クラスト)」と呼ばれる薄い層です。

 

 その後、船橋市内でも2つめの隕石が発見されました。

隕石2号
●習志野隕石2号(船橋市落下:7月22日発見)(個人蔵)
こちらも当館での展示は右側の破片。左側は国立科学博物館で展示。

 こちらはさらに20日間ほど屋外で風雨にさらされたため、著しく錆が出ています。
 ただし、分析の過程で内部は新鮮であることが確認されています。表面はやはり黒い溶融皮殻におおわれています。

 

 

隕石の種類

 隕石の種類は大きく「石質隕石」、「鉄隕石」、「石鉄隕石」の3つに分けられます。
「習志野隕石」は、分析の結果、「石質隕石」の仲間で、「コンドリュール」という球状の粒子を含む「コンドライト」と呼ばれるグループの隕石であることがわかりました(H5タイプの普通コンドライト)。
 本展示では、当館で所蔵する各種隕石標本を併せてご紹介します。

アエンデ
●石質隕石「アエンデ」(1969年:メキシコ落下)(当館所蔵)

 太陽系や地球をつくった最も始源的な物質と考えられている「炭素質コンドライト」の1つです。溶融皮殻に覆われています。

 

ギベオン
●鉄隕石「ギベオン」(切断研磨片)(ナミビア:1836年発見)(当館所蔵)

 ニッケル含有量の異なる2種類の金属鉄の結晶が規則的に組み合った「ウィドマンシュテッテン構造」を示します。
 ある程度成長した微惑星の中心核をつくっていたものと推測されています。

 

イミラック
●石鉄隕石「イミラック」(切断研磨片)(チリ:1822年発見)(当館所蔵)

 珪酸塩鉱物の「かんらん石」の大粒の結晶が金属鉄に埋まっています。両者は比重がだいぶ異なり、本来ありえないような構造です。
 ある程度進化した微惑星の中心核とマントルの境界付近をつくっていた物質と推測されています。

 

このページのお問い合わせ先
千葉県立中央博物館
TEL:中央博物館 043-265-3111
FAX:中央博物館 043-266-2481