当館研究員が沖縄で見つかったコブシガニの仲間、「ゲツメンカルイシコブシ」に関する論文を発表しました。

沖縄で見つかったコブシガニの仲間を
「ゲツメンカルイシコブシガニ」と命名!

概要

 コブシガニ科ツノカルイシコブシ属の1種、Oreotlos pala Tan and Ng, 1996 は、グアム島産のメス1個体に基づき、新種として記載されました。この標本は、ハサミや歩くための脚がすべて失われた状態でしたが、甲の背面の縁に沿って穴のあいたように深い窪みがならぶという、他のコブシガニ類には見られない特徴を持つことから、新種とみなされました。
 2003年、当館研究員の奧野は、一般向けの甲殻類図鑑『エビ・カニガイドブック2沖縄・久米島の海から』(共著、阪急コミュニケーションズ) の中で、久米島で見られるカニのひとつとして本種を紹介しました。今回出版した論文は、琉球大学でカニの分類を専門としている成瀬貫博士との共同研究として、久米島と、沖縄県宮古群島で採集された追加標本を使って、ガイドブックでは述べなかったハサミや脚の形態、そしてカニを分類するのに重要な特徴となるオスの交尾器などを詳しく再記載したものです。同時に、甲の背面が月のクレーターのようにデコボコしている特徴から、当館所蔵標本の一つを基準としてゲツメンカルイシコブシの標準和名を提唱しました。

論文タイトル

Redescription of a bizarre crab, Oreotlos pala Tan & Ng, 1996 (Decapoda: Brachyura: Laucosiidae)

論文著者

奧野淳兒(当館主任上席研究員)
成瀬 貫(琉球大学熱帯生物圏研究センター准教授)

掲載誌

Fauna Ryukyuana, vol.57: 21 26 pp. (2020)

 

ゲツメンカルイシコブシ
当館に所蔵されているゲツメンカルイシコブシの標本(背面)

 

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