企画展担当学芸員のオススメ

企画展担当学芸員のオススメ<その4>

 展示開催期間も半ばを過ぎ、資料保全の観点から錦絵の展示を入れ替えました。

 今回紹介するオススメは、新たに登場した錦絵、三代歌川(うたがわ)豊国(とよくに)の「春のあした生花稽古」です。こちらの錦絵、もともとは3枚1組のものですが、展示したものは左の1枚を欠いています。絵の構図は1人の男性を取り囲んで6人の美女(3人は展示品にない左の1枚にいます)が、生花をしているところ。

  このモテモテの男性は、柳亭種彦(りゅうていたねひこ)が著した源氏物語のパロディー『(にせ)(むらさき)田舎(いなか)源氏(げんじ)』の主人公(あし)(かが)(みつ)(うじ)。源氏を表す(ささ)竜胆(りんどう)模様のきものと海老(えび)茶筅(ちゃせん)(まげ)という独特の(まげ)を結っています。三代歌川豊国は『偐紫田舎源氏』の挿絵を描いていた関係で、しばしば錦絵にこの人物を登場させています。

   美女たちの白い(えり)には、空摺(からずり)(紙の凹凸で模様を表すエンボス技法)で模様が付けられています。肉眼でも近くでないと見えないので、鑑賞の際には単眼鏡などを使ってじっくりご覧ください。

 

         千葉県立中央博物館 蔵

 

 

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