企画展担当学芸員のオススメ

企画展担当学芸員のオススメ<その1>


 いよいよ令和2年度企画展「福を呼ぶ小袖と房総の万祝」が開催となりました。
このコーナーでは、展示を担当した学芸員が独断と偏見で選んだオススメの展示資料をご紹介します。
 まず初めにご紹介したいのは、「白綸子(しろりんず)地(じ)松文字模様染縫小袖」です。ポスターやチラシで目にした方もいらっしゃるかもしれません。
 さて、きもの資料の名称は難しく感じる方が多いと思いますが、名称をいくつかの単語に分けて考えると多少分かり易くなります。
単語の並びは、「着物のベースになる布地」→「模様の種類」→「模様の製作技法」→「きものの形」の順になっています。
 「白綸子地松文字模様染縫小袖」について見てみましょう。「着物のベースになる布地」は白色の綸子(地模様のある絹織物)、「模様の種類」は松と文字の模様、「模様の製作技法」は染めと縫い(刺しゅう)、「きものの形」は小袖となります。
 この小袖の模様には、大きな木と滝のような水の流れが表現されています。この木は、唐松を表現しているそうで、きものの世界では中央の丸が3つのものは唐松、1つのものは菊花を示しているとのことです。また、袖や背の部分には金や赤の刺繍で、おめでたい「寿」の文字を縫い上げています。綸子の地模様は「卍崩し」(卍を斜めに崩して連続模様にしたもの)と菊が織り込まれています。写真では分かりにくいので、ぜひ実物でご確認ください。

     国立歴史民俗博物館 蔵

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