昭和の暮らしに関する民俗資料を中心に、「住まう」「食べる」「着る」「働く」「遊ぶ」の五つのテーマに沿って、当時の様子を紹介します。 |
住まう
手桶(ておけ)
水を入れて持ち運びしやすいように持ち手がついた桶です。
火打石(ひうちいし)と
火打鉄(ひうちがね)
マッチが普及する以前は、これで火をつけました。
棒ばかり(ぼうばかり)
重さをはかる道具です。はかりたい物をフックにかけ、分銅(ふんどう・おもりのこと)を左右に動かしてつり合わせます。つり合ったら、分銅がある場所の目盛りがはかりたい物の重さになります。
マッチ
明治時代の半ばから一般家庭にマッチが普及しました。
湯たんぽ
中に熱いお湯を入れて、布でくるんで足などを温めます。
豆炭(まめたん)
炭や石炭その他の粉を固めた燃料です。安いのですが、炭よりにおいがします。
食べる
羽釜(はがま)
昭和30年に電気炊飯器が発明されるまでは、かまどに羽釜をのせてご飯を炊きました。
おひつ
羽釜で炊いたご飯は、ここに移しておいて、お茶碗に盛ります。
石臼(いしうす)
上の石を回して米や豆などを粉にする道具です。
ガリガリおろし
北関東でよく使われる大根おろしです。初午行事に作るスミツカレという料理にも欠かせません。
一升枡(いっしょうます)
容積を量る道具です。今もお酒やお米を量るのに「一升」や「三合」という単位を使います。
七輪(しちりん)
今のコンロのようにお湯を沸かしたり料理をするのに使います。燃料は炭です。持ち運びができます。
甕(かめ)
梅干やちょっとした漬物などを入れておくためのものです。
着る
絣の着物( かすりのきもの)
「円」や「井桁」などの模様がある織物です。普段着として使用され、田植えなどでも着用していました。
唐傘(からかさ)
竹と和紙でできた雨傘です。和紙には油がぬってあり、水をはじきます。
下駄(げた)
ぞうりとともに、一般的な履物でした。
わらぞうり
農家の子どもたちは大抵、自分の家で作ったわらぞうりが自分の履物でした。
蓑
(みの)
チガヤという草製の蓑です。今でいうレインコートです。水をはじくだけでなく、通気性もよく、暖かいです。
わらじ
ぞうりと違い、ヒモで足をしっかりしばります。長い距離を歩く時に履きます。
洗濯板
(せんたくいた)
明治末〜大正頃、石けんとともに一般家庭に普及しました.ギザギザの面に布をこすりつけて洗います。
たらい
たらいは木製の平たい桶で、一般的に丸い形をしています。洗濯機がなかった時代は、洗濯で多く使われました。
ふのり
ふのりは海藻でできた洗濯のりです。着物は一度縫い目をほどいて洗い、糊づけして再び縫い直しました。
働く
背負いかご
(しょいかご)
背中に背負って色々な物を運ぶ便利な道具です。
万石どおし(まんごくどおし)
米の粒を選り分ける道具です。上から米を流し、網の目の大きさで、良い米と欠け米などに分けます。
二斗ザル(にとざる)
採った野菜を入れたり、お米をいれたりしました。斗は昔の単位で、一斗が約18ℓです。
筌(うけ)
魚を捕る道具です。中にえさを仕掛けておくと、魚が入って出られなくなるしくみです。
農耕具
・麦の種まき機
麦の種を箱の中に入れて押し車を押すと、一定の間隔で畑に種が蒔けます。
・風呂鍬(フログワ)
田畑を耕す道具です。鉄が貴重だった頃は、木の台(これを風呂といいます)に鉄の刃をつけた形でした。
・引き鍬(ひきぐわ)
畑の畝(うね)をたてるのに使います。
・鋤(すき)
この地域ではシャクシと呼びます。今のシャベルのような使い方です。
足半
(あしなか)
ぞうりの一種ですが、かかとが出るように短く作ってあります。水辺でも滑りにくいのが特徴です。
ぼっち笠
(ぼっちがさ)
形は円錐形で、頂点にボッチがある笠をいいます。素材は「い草」で、雨の時や日差しの強いときにかぶります。
遊ぶ
羽子板(はごいた)と
羽根(はね)
正月には、たこ揚げ、羽根つき、すごろく、かるた、福笑いなどで遊びました。
お手玉(おてだま)
小豆などが小さな布袋に入った遊び道具です。数個のお手玉を投げ上げ、受けたり、拾ったりして遊びます。
ビー玉
小さいガラス玉の遊び道具です。よくある遊び方はビー玉を平らな場所に置き、自分のビー玉で相手のビー玉を当てたら勝ちとするものです。
おはじき
小さくて円く平たいガラス製の遊び道具です。よくある遊び方はおはじきを出し合って平らな場所にまき、指先ではじいて当てたおはじきを取り合うものです。
めんこ
厚紙などで作られた円や四角い形をした遊び道具です。よくある遊び方は相手が置いたメンコを打ち当て、相手のメンコを裏返せば勝ちとするものです。
犬棒かるた
「犬も歩けば棒にあたる」で始まるいろはがるたの一種です。
こま
円い木製の胴に軸をつらぬき、これを中心として回す遊び道具です。
ベーゴマ
鉄の鋳物で出来ている小さなコマの一種です。よくある遊び方は回したベーゴマをぶつけ合って、台からはじき飛ばすと勝ちとするものです。
開催時のご内容
昔なつかしい、かつての生活用品や農耕具等を展示
展示名 | 「昔のくらし展」 |
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開催期間 | 平成31年1月22日(火)~4月14日(日) |
会場 | 千葉県立関宿博物館 |
(共催:千葉県立関宿城博物館友の会)