Brass Drum Microscope
19世紀にイギリスで造られた真鍮製のドラム型顕微鏡
19紀になると、医学校や大学などで顕微鏡を使った医学や生物学の研究が盛んになり、それに伴い顕微鏡の性能も徐々に改良が加えられるようになりました。イギリスではドラム型顕微鏡が1820年から1850年代にかけて人気を博しており、この顕微鏡もおそらくそうした時期(1857年頃)のものと思われます。
この顕微鏡の大きな特徴は、側面に焦点調節用のネジがあることです。また、鏡筒は大きく2つの部分からなっていて、1つはステージとの距離を調節する部分で、もう一つは下部にある集光用の凹面鏡部分になります。光量の調節は、ステージ下部にある絞りで行います。標本を固定する骨製スライダー(象牙か)は、ステージ脇にあいた切込みから差し込むようになっています。
スライダーは4本あり、それぞれ番号が付けられており、4を欠いています。植物の葉脈断片などの標本を確認できます。
鏡筒に刻印された「レニー エディンバラ(LENNIE EDINBURGH)」は、スコットランド エディンバラにあった小売店の名前のようです。
収納ケースはマホガニー製で、鏡筒本体とステージ鉗子(はさみ)などの付属品や、アタッチメントとして細い芯に取り付ける集光レンズ、反射鏡、骨製スライダーなどを収納できるようになっています。
(説明は、同種の顕微鏡がオークションに出品された時の解説を参考に作成しました。)