ミニトピックス展 疫病退散―コロナ禍の収束を祈って―

ミニトピックス展
疫病退散
—コロナ禍の収束を祈って—

飯縄寺厄除だるま

 

会 期 令和2年7月7日(火)~10月25日(日)
休館日 毎週月曜日(月曜が祝日の場合開館し、翌平日が休館)
    ※7月21日(火)~9月6日(日)の期間は無休です
会 場 千葉県立中央博物館 房総の歴史展示室前廊下
入場料 一般300円(240円) 高校生・大学生150円(120円)
    中学生以下・65歳以上の方・障害者手帳等をお持ちの方は無料
    ※( )内は20名以上の団体料金 現在団体受付を中止しております

 


 

 科学・医学が高度に発達した現代においてさえ、人はウイルスによる「疫病」に悩まされています。
 歴史上流行を繰り返してきた疫病に対して、人は底知れぬ恐ろしさを感じ、祭りやまじないによって退散を祈ってきました。
 目に見えないものを形にし、表現することで、疫病に対する不安を克服してきた民俗的な対処法を、館蔵資料と写真によって紹介します。

 


 

1 疫病除けの祭り

 日本には疫病退散を起源とする祭りがたくさんあります。特に夏は疫病の流行が起きやすい時期のため、悪霊を鎮め厄神を祓う祭りが盛んに行なわれてきました。

 

鵜原八坂神社鵜原の八坂神社祭礼(勝浦市鵜原)

 鵜原の八坂神社は、江戸時代に津島牛頭天王社(愛知県の津島神社)の分霊を祀ったと伝えられます。無病息災・悪疫退散を祈願する祭礼では、古式ゆかしい大名行列が神輿を先導します。

 

鮭祭り
山倉の鮭祭り(香取市山倉)

 山倉大神は古くから疫病退散の御利益で知られ、多くの人びとからの信仰をあつめてきました。
 例年12月の第一日曜日には鮭を神前に供える「初卯祭(はつうさい)」が行われ、この日は、鮭の切り身で作られた護符が参詣者に頒布されます。

 

山倉大神護符
山倉大神護符

 秘伝の製法で鮭を黒焼きし、粉にしたものが入っています。厄病や風邪に効く妙薬として知られています。

 

2 まじないの形

 古来、治療の難しい疫病の原因は厄神や悪鬼にあるとされ、また厄神を祓う神の存在も具体的な形象としてイメージされてきました。

 

疱瘡神の詫び状
疱瘡神の詫び証文

 疱瘡神が疱瘡の流行を詫び、アバタ跡を残さずに軽く治すと約束して書いた「詫び証文」です。家の鴨居などに貼って疱瘡除けのお守りとしました。

 

疱瘡神
疱瘡神石塔(千葉市若葉区)

 千葉市や八街市に、老婆像を刻んだ石塔を疱瘡神として祀る例が確認されています。
 こちらの石塔は千葉市内に残るもの。額や目じりに深い皺が刻まれた老婆が両手で杖をつき、花をつけた樹木の下に佇む姿が刻まれています。
 花が散ることを疫病の流行になぞらえ、「花鎮め」を祈った心意の表現と考えられています。

 

「疫病退散」展示資料リスト(367KB)(PDF文書)