「化石発掘たいけん」で新種発見!

 
 中央博物館の地学講座「化石発掘たいけん」は、石川県白山市から取り寄せた岩石を用いて、恐竜時代の生き物の化石を探す講座です。平成14年から継続しているこの講座は、実際に恐竜の化石が見つかる可能性があることから、毎年大勢の方にお申し込みいただいている人気の講座です。 
 
 今から12年前の平成15年8月17日には、「親子化石発掘体験」の名で
講座が開催されました。この時、長さが1cmにも満たない小さなトカゲの顎の化石が発見されました。発見者は、当時小学生だった上野光子さん。その後、見つかったトカゲの化石は、白山市教育委員会に返却され、後の研究に期待がもたれました。

 


現在の上野光子さん


 

 発見から12年経った今年の7月、中生代爬虫類化石研究の第1人者であるスーザン・エバンス教授(英国ロンドン大学ユニバーシティカレッジ)と松本涼子博士(神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員)の共同研究によって、上野さんが発見したトカゲの化石が、新種と認定されました。

 新種の名前は、ハクセプス・インベリスHakuseps imberis  と名付けられました。
ハクセプスは、「白山のトカゲ」の意味で、名峰白山にちなみます。インベリスとは「シャワー」を意味する言葉で、下顎の形がシャワーヘッドに似た特異な形態をしており、この種の特徴を表しています。
 
ハクセプス・インベリスは、8月29日より、白山市恐竜パーク化石工房(白峰化石調査センター)で一般公開されます。

 
 論文では、このハクセプス・インベリスの他にも、数種のトカゲ化石の新種が報告されています。詳しくは、以下のサイトをご覧ください。

白山市教育委員会(外部サイト)
神奈川県立生命の星・地球博物館(外部サイト)

平成15年のホームページ
平成15年当時のHPより。当時は上顎の骨と考えていましたが、研究の結果、下顎の骨であることがわかりました。


 
 この新種のトカゲ化石発見を記念して、発見者の上野光子さんにインタビューしました。

Q:12年前の想い出をお聞かせください。

 今振り返ると、化石発掘体験に参加できたことはとても貴重な機会だったなと思います。今でも当時の様子をはっきりと覚えているくらいで、とても楽しかったです。金槌などを使いながら、何が出てくるかわくわくしつつ、手のひら前後の大きさの石を少しずつ割っていきました。当時は家族で参加しました。弟が先に貝か何かの化石を見つけたと記憶しています。弟に先を越されて悔しく、私も「絶対何か見つけてやるんだ」と意気込んで石を割っていたところ、ある石から貝の化石を見つけました。貝の化石をよく見ようと顔に近づけたときに、貝がある面とは別な面にあごのようなものを発見しました。

Q:発見された化石が新種と認定されました。現在の感想をお聞かせください。

 あの日発見した化石が、12年経って新種と判明したと聞いて、とても驚きました。人生で化石を発掘する機会はあまりないと思いますので、子どもたちにはぜひ体験してほしいなと思います。それと同時に、私は現在大学職員として「大学の先生の研究を支える仕事」をしていますので、あの日の化石を研究していただけたこと、“新種発見”という瞬間に立ち会えたことをとても嬉しく思いました。今後も福井県や石川県を始め、千葉県の恐竜時代の地層からも新たな化石が見つかって、恐竜時代の研究の発展につながっていくことを願ってやみません。




【このニュースへの問合せ先】
千葉県立中央博物館 企画調整課
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