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展示終了

会期:平成27年3月7日(土)〜5月10日(日)
会場:千葉県立中央博物館本館 第1企画展示室
後援:明治大学日本先史文化研究所・山形大学人文学部附属ナスカ研究所・日本貝類学会・日本動物考古学会・沖縄考古学会

 千葉県には多くの縄文貝塚が存在することはみなさんご存じと思います。貝塚に限らず、世界の遺跡をみると、貝類は食料だけでなく装飾品など他の用途でも利用されてきたことがわかります。遺跡の貝は、長年地中にあったため、元の色や形が失われているものもあります。 
 今回の展示では、貝類が様々な時代で人々に利用されてきたことを紹介し、考古資料ではなく、遺跡から出土した貝の現生標本を展示します。貝本来の色と形をご覧ください。そして、貝類を身近に感じていただければ幸いです。

<主な展示資料>(遺跡出土の貝類の実物、装飾品の展示は、ほとんどありません)
沖縄の遺跡:ヤコウガイ・ゴホウラ・シャコガイ類等
殷墟(中国):タカラガイ類・マクラガイ類・ムシロガイ類・ハマグリ類・イシガイ類等
ナスカの地上絵付近(ペルー):ウミギク類・イソハマグリ類・アワビモドキ・イガイ類等
千葉の遺跡:ハマグリ・バカガイ・マツムシ類・タカラガイ・イモガイ・ツノガイ・アリソガイ等
◆スリランカ:真珠貝類・テングガイ
◆オマーン(アラビア半島):ハマグリ類・タケノコバイ類・ラクダガイ・ミドリイガイ類等
◆ネアンデルタール人が使った貝:イタヤガイ類・ムシロガイ類
◆寿司ネタの貝類:アカガイ・タイラギ・ミルクイ・トリガイ・ヒメジャコ等

こちらからチラシ(PDF, 692KB)をダウンロードできます。
 
■関連行事
 <抽選で貝が当たります!>
3月の会期中、抽選で毎日1名に、干支にちなんだ貝をプレゼント!(来館者対象)
※応募は展示室前にて受け付けます。発表は発送をもって代えさせていただきます。
(ネズミガイ[子]・ウシノツノガイ[丑]・ホシダカラ[寅]・ウミウサギ[卯]など)

講演会 
【貝塚研究最前線】
当日先着150名、参加無料】
 日時:平成27年4月25日㈯・26日㈰ 9:45〜15:00
 会場:中央博物館講堂 
 内容:遺跡出土の貝類研究について、日本各地の第一線の研究者に、それぞれ最新成果をご講演いただきます。
 予定講演内容
4月25日㈯
 ●アジア・オセアニアの貝塚(樋泉岳二)
 ●ペルー・ナスカの地上絵付近でみられた海産貝類(黒住耐二・坂井正人・他)
 ●ハマグリ-千葉の縄文人が2番目に好んだ貝(西野雅人)
 ●貝殻に記録された津波(畑山智史)

4月26日㈰
 ●沖縄における旧石器・縄文移行期の遺跡と出土貝類(山崎真治)
 ●沖縄の貝塚時代の貝類利用(黒住耐二)
 ●弥生時代の南島産貝輪と南島人(木下尚子)
 ●琉球・沖縄グスク時代の貝類利用(宮城弘樹)
 ●海藻を利用した縄文の塩作り(阿部芳郎)

体験イベント
【縄文時代の貝のアクセサリーをつくろう】【小学3年生以下は保護者同伴、当日先着20名、保険料50円】
 日時平成27年3月22日(日)  13:30〜15:00
 会場:中央博物館研修室
 
【貝塚発掘体験】当日受付、定員なし参加無料
 日時平成27年5月4日㈪ 10:00〜12:00、13:00〜15:00(随時)
 会場:1階ホール外
 内容:主に未就学児対象の砂の中から刷毛で貝殻を取り出す体験イベントです。

ミュージアム・トーク(研究員による展示解説) 【当日受付・入場料必要】
 日時:3/8㈰・3/15・4/5・4/18㈯・5/9㈯ 11:00〜11:30/14:30〜15:00 
 会場:中央博物館企画展示室 
 内容:研究員が展示を解説いたします。
 
巨大な貝と記念撮影 
 展示会の記念に写真撮影はいかがでしょうか?  
 アラフラ海に生息する、子どもの顔よりも大きなツノヤシガイ(容器としても遺跡から出土しています)は、持って撮影いただけます。世界最大の貝、オオジャコ(貝の斧などに用いられていました)もホールでいっしょに撮影が可能です。

 
ヤシガイを持ってポーズ
 
世界最大の貝オオジャコ
 


<みどころ>
北部九州で用いられた沖縄産巻貝ゴホウラと貝輪復元品
 弥生時代の北部九州では、沖縄で採れたサンゴ礁にすむ大形巻貝のゴホウラで作られた腕輪(=貝輪)が権力者などの墓から出土しています。その形には流行があり、様々に加工されたものが存在します。沖縄では交易に用いられたゴホウラの集積遺構も多数発掘されています。ゴホウラや大形イモガイ(アンボンクロザメなど)などの沖縄産の貝類が九州などへ運ばれ、九州からも様々なものが沖縄へ持ち込まれた状況は、「南海産貝交易」と呼ばれています。 
 今回の展示では、ゴホウラの標本と共に、何種類もの貝輪復元品を展示します。元の貝からは想像できない光沢のある貝輪を是非、ご覧ください。

ゴホウラ
ゴホウラの貝輪(復元品) 
 
最古の貨幣とも言われる中国の殷墟出土のタカラガイ類など
 お金に関係した漢字(財、貯など)に「貝」の字が用いられているのは、“その昔、タカラガイが貨幣であったことに由来する”という話を聞かれた方は多いでしょう。その起源が中国の殷(いん)の時代(およそ3500年前頃)に遡るという話もよく耳にします。しかし実際には、殷墟(いんきょ)出土のタカラガイを詳細に研究した例はほとんどありませんでした。
 今回、殷墟出土貝類の研究(熊本大学・木下尚子先生の研究チーム)に参加させていただき、現地で調査する機会を得ました。貝の種類を調べたところ、従来から指摘されているキイロダカラが基本であるものの(例えば、唯一の未盗掘の王妃の墓である婦好墓(ふこうぼ)に副葬されていた数千個体の貝はキイロダカラ一種のみでした)、それ以外の墓には、他の種類のタカラガイやマクラガイ類も多く副葬されていたこと、逆にホシダカラ・ハナビラダカラ・ハナマルユキ・ヤクシマダカラはほとんど認められなかった、という極めて興味深い結果が得られました。また、これらのタカラガイは、「台湾南部を含む南中国海北部」からもたらされたという結論になりました。
 タカラガイを中心に、殷墟で見られた貝類の標本を展示します。なぜ、「キイロダカラ」が珍重されたのか、標本を見て、思いを巡らせてみてください。

婦好墓(中央の白色の部分が多数のキイロダカラ)
キイロダカラ 
 
ナスカの地上絵付近でみられた海産貝類 
 “宇宙人が作ったのではないか?”との言われることのあるナスカの地上絵をご存じの方も多いでしょう。もちろん、研究の結果から、紀元前400年頃から、その土地の人々が作ったことがわかっています。 
 最新の現地調査(山形大学・坂井正人先生の研究チーム)で、地上絵のそばに、イガイ類(=ムール貝)などの破片を播いたと思われる跡が認められました。つまり、海岸から数十キロ離れた場所に海の貝が存在していたわけです。何のために播いたかは不明ですが、これまで知られていなかった地上絵付近の貝の標本をお見せします。 
 また、ナスカ台地の乾燥した砂漠には、ミイラが多数残っていることも知られています。現地で野外展示されている紀元10-15世紀頃のミイラが南アメリカで珍重されてきたウミギクガイ(ダイオウショウジョウガイ)を首から下げていたことや、アワビモドキ(=ロコ貝)などの海産貝類が供えられていたことも分かりました。供えられていたものは、食後の貝ではなく、海岸に打上げられた貝殻を集めたものでした。あの世での食料としたのでしょうか。


鳥の地上絵(Ⓒ山形大学人文学部附属ナスカ研究所)

ウミギクガイを下げたミイラ
 
千葉県内の貝塚から出土した貝輪などの貝製品に用いられた貝類
 千葉県の縄文時代の貝塚からは食用にされた膨大な貝殻とともに、貝の腕輪(=貝輪)などに加工された製品が見つかっています。
 東京湾沿岸の貝塚からは、九十九里浜などに生息し、東京湾にはいないベンケイガイやサトウガイが使われた貝輪が出土しています。成田市の荒海川面遺跡では、十数万年前の化石のエゾタマキガイに穴を開けたものなどが一ヶ所からまとまって見つかりました。その他にも千葉県から、名前のとおり、殻のふちが口紅を塗ったようにピンク色のクチベニガイ、渦巻きが特徴的なイモガイなどの製品も知られております。
 これら製品の元になった貝をご覧ください。

成田市荒海川表遺跡における貝製品の出土状況((財)千葉県資料研究財団, 2001)
貝輪に用いられるベンケイガイ 
 
ピンクガイ 
 ピンクガイは、アメリカ東岸やカリブ海などのサンゴ礁の海にすむ大形巻貝で、ピンク色の殻口が強烈な印象を与えてくれます。英語(conch)の直訳、コンク貝という名前でも知られ、その肉は「コンクステーキ」として、ピンク色をした“真珠”は「コンクパール」の名で知られています。この貝の肉を取り出すときに、殻に小さな穴を開けるのですが、現在と同じ穴の開け方が13-16世紀のベネズエラの遺跡でも確認されており、当時も食用にされていたことが証明されています。同じ仲間のマガキガイは沖縄などで食用として珍重されています。
 最近では、温暖化によってこの貝が減少していると報道されています。パール採集のために乱獲されてもいるようです。20年前には普通に売られていたピンクガイですが、最近は購入できる標本を見つけることが難しい状況で、激減していることは確かなようです。 
 判りやすい名前ですし、その美しさと少し変わった形は一度見ると忘れられません。まずは、ご覧になってください。


 
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