流れ藻の観察会

平成12年8月6日(日)に、流れ藻についた生きものを観察する「流れ藻の観察会」が催されました。流れ藻とは、なんらかの原因で付着部から剥がれて、海面を漂っている海藻のことをいいます。流れ藻は、ときには沖縄など南西諸島から黒潮に乗って流されてくることもあります。この流れ藻の周辺には、そこを隠れ家にする魚の稚魚やエビ・カニなど、さまざまな生きものが生活しています。今回の観察会では、漁船に乗って流れ藻を探し、そこに隠れている生きものを観察しました。

まずはじめに博物館内の実験室に集合し、講師の乃一哲久研究員が流れ藻として見られる代表的な海藻について説明しました。

その後、鵜原漁港からチャーターした漁船に乗り込み、流れ藻探しを行いました。見つかった流れ藻は、まわりの生きものが逃げないように大型のネットですくい上げました。

この日、見つけることのできた流れ藻は全て近海に生育するオオバモクというホンダワラの仲間で、残念ながら黒潮に乗って遠く南方の海から流れてきた海藻を見ることはできませんでしたが、それでも多くの生きものが網に入りました。

当日は晴天ながらも、台風の影響で海面はうねりが強く、船酔いになってしまった参加者もおられましたが、陸に上がって、とれた生きものを覗き込むころには、すっかり回復していたようです。

これは流れ藻についていたイシダイの稚魚です。
イシダイは小さいうち、流れ藻などに身を寄せて生活しています。

とれた生きものは、博物館に持ち帰り、顕微鏡で観察しました。イシダイ,カワハギ,ソラスズメダイ,イシガキダイ,ウマヅラハギなどの稚魚やニジギンポの若魚などが観察されました。また、エビやカニの幼生も観察することができました。

参加者の声(一部抜粋)

「予想外の珍しい生物、本当に驚きです。海の中には知っていることの方が少ないことが良くわかりました。」
「漁船での観察はめったにできない体験でしたので、家内ともにとても喜んでいます。流れ藻にたくさんの生き物がついているのが実感できました。顕微鏡でみたカニ・エビの幼生も忘れられないし、紅の藻類もきれいでした。」

普段、ほとんど観察する機会のない「流れ藻」の観察は、いかがでしたか?
中には船酔いになってしまった参加者の方もいらっしゃいましたが、それでも大いに楽しんでいただけたのではないでしょうか? 大変暑い中での観察会でしたが、参加していただきありがとうございました。
 最後になりますが、今回の観察会にはおかげさまで多くの方からご応募をいただきました。しかし残念ながら、船の定員の関係から募集人員を多くとれず、抽選の結果、参加していただけない方も出てしまいました。抽選に漏れてしまった方には大変申し訳ありませんでした。
またのご応募、心よりお待ちしております。