鵜原理想郷周辺の地層

平成13年5月26日(土)に、観察会「鵜原理想郷周辺の地層」が行われました。
講師は、海の博物館に残念ながら地学の専門家がいないため、中央博物館地学研究科の高橋直樹上席研究員に務めていただきました。

当日は14名の参加者を得て、10:30に海の博物館を出発、勝浦市鵜原の鵜原海水浴場に到着しました。参加者に小学生が多かったため、地層を見るだけでなくいくつかのメニューを加えました。ここでは、そのひとつ、砂鉄とりに挑戦しました。鵜原海水浴場は白いきれいな砂浜で有名ですが、ところどころ黒っぽい砂が見られます。そのあたりに磁石を入れてみると、どうでしょう、たくさんの砂鉄がとれました。採れた砂鉄を白い紙の上にのせて下から磁石を当てて動かすと、いろいろな砂鉄の模様ができます。大人の参加者も楽しんで砂鉄とりをしていました。

その後は、やや玄人向けの地層の観察です。参加者の中には日頃から自分で地層を観察に行かれる方々もいて、地層談義に花が咲きました。

山道に入り、坂を上り下りし、理想郷の一角、毛戸浦に到着しました。
ここでは、海の博物館の展示室にも飾ってあるウニの這い跡の化石が見られます。これは現在見られるブンブク類のウニの這った跡に良く似ています。このあたりの海にもオオブンブクやヒラタブンブクなどのブンブク類のウニが見られますが、大昔にもこのようなウニたちが海底を這いずり回っていたのでしょうか。

昼食後は理想郷内を散策しながら地層を観察し、最後に博物館近くの吉尾港にやってきました。このあたりの岩には貝などの化石が入っています。
ここで、ハンマーを使って化石とりをしてみました。

なかなかきれいな化石が見つからず、貝殻の一断面などが見られた程度でしたが、帰り際にシロウリガイと見られる大きな貝殻の化石が発見されました。シロウリガイは現在深海にたくさん生息することが知られている貝です。このあたりが昔は深海だったことを示唆しています。この化石は高橋上席研究員が持ち帰り、現在中央博物館の化石の専門家が調べているということです。

海の博物館には地学の専門家がいないので、地学好きの皆様に満足していただける行事を行う機会が少ないのですが、今回の観察会はいかがでしたでしょうか? これからも中央博物館本館の研究員の協力をいただいて地学関係の観察会などを行っていきたいと思います。ぜひ皆様ご参加ください。
参加者の皆様、講師の高橋さん、ありがとうございました。