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ところ変われば備えも変わる あなたの街と自然災害

私たちは身近な地域のことをよく知ることで、災害に備えることができます

 21世紀は「自然災害の時代」とも言われるように、日本列島では各地で地震や火山の噴火、集中豪雨などが頻繁に発生しています。このような自然現象は大地の姿を変えるとともに、「人の住む場所」では「災害」となります。その被害のようすは、どこの地域も同じではなく、微細な地形の高低差や地盤の強弱など、土地の性質や成り立ちと密接に関係しています。 
 そこでこの展示では、千葉県を中心に、私たちが住む地域の地形地質や昔のようすを、景観や地層、歴史資料、新旧の地形図や空中写真から読み解きます。それらに過去の災害の痕跡や被害の分布を重ね合わせ、それぞれの地域でどのような災害が起こりやすいのかを、地形模型などに示します。
 また近年、ジオパークや街歩きなど、人々が身近な地形や地質を見る機会も増えていることから、地域を地学的に見るポイントや調べ方、各種各地のハザードマップなども紹介していきます。

<展示内容>
Ⅰ 自然現象と災害のいろいろ
  自然現象と災害は別のもの

Ⅱ 身近な地域から見た自然災害
  地形と災害
  関東平野の中の千葉県 
   ①大河川の低地(利根川・江戸川流域)
   ②台地と谷津(下総台地)
   ③東京湾岸の低地・埋立地
   ④広大な海岸平野(九十九里浜)
   ⑤房総南部(山地・丘陵地)
   ⑥房総南部(沿岸部)  
  ハザードマップのいろいろ  
  防災・減災 街歩き 

Ⅲ 災害を伝えていくために
  負の遺産を文化財に  
  災害からの復興―ジオパーク活動


 

①災害にどう備えるかのヒントになる

・自然現象(地震や火山活動、集中豪雨など)に関する最近の研究成果を紹介
・自然現象と災害は別のものであることを示します
・千葉県を6つの地域に分けて、土地の性質と災害との関係を見ていきます

  
  ①大河川が作った低地
  ②台地と谷津
  ③東京湾岸の低地・埋立地
  ④広大な海岸平野(九十九里浜)
  ⑤房総南部(山地・丘陵地)  
  ⑥房総南部(沿岸部


ボウシくん
千葉県以外でも、①~⑥と地形や地質が似ている地域では参考になります
 

②模型は語る―私たちが住む地面の下はどうなっている?

・地面の下の隠れた地形がわかる「埋没谷地形模型」―知りたいような、知りたくないような情報いろいろ
・「富士山の成り立ち」や「土砂災害の発生場所」を示すプロジェクション・マッピング地形模型
・九十九里浜の微細な高低差がわかる模型なども登場
・活断層や東日本大震災の液状化による噴砂、津波堆積物などの地層はぎ取り標本もあります
製作途中の「都川流域埋没谷地形模型」と原図

埋没谷地形模型とは・・・・?
 左の模型は、産業技術総合研究所地質調査総合センターの高橋雅紀氏に作り方を教えていただき、中央博物館で製作している「都川流域埋没谷地形模型」です。
 私たちが生活している低地の下には、およそ2万年前の最終氷期の頃に形成された深い谷が埋まっていることがあり、谷の中には厚い沖積層が堆積しています。埋立地はさらに人工地層(埋立土・盛土)で埋められ、その上にいろいろな建物が密集しているため、地面の下にこのような地形があることなどわかりません。そこで展示では、この模型の上に現在の海岸線や道路、鉄道、町の名前を書き入れた透明のアクリル板を置き、私たちがふだん生活している地域の地下がどうなっているか見ていきます。
 なおこの模型は、平成26・27年度千葉県地震被害想定調査で報告された沖積層基底面の標高データ(50mメッシュ)、及び低地台地境界データを基に製作しています。都川流域だけでなく、湾岸の埋立地(製作中)、東京の中川低地帯や都心部の模型(産総研から借用)も展示する予定です。

プロジェクション・マッピングによる地形模型
     ―情報の重ね合わせや歴史的な変化がわかるダイナミックな模型
 模型と画像の位置合わせ  
「富士山の成り立ち」地形模型 
模型の上に投影される画像が数秒ごとに変化する、プロジェクション・マッピング型の地形模型です(左)。過去から現在までの富士山の火山活動のようすを、時間を追って見ていきます。動きがあって富士山の成り立ちがよくわかります。立体的な模型と画像の位置合わせに苦労しています(右)。この模型も手作り(アナログ模型)です。

地層のはぎ取り標本
 地形模型以外にも、糸魚川―静岡構造線沿いの第一級の活断層である牛伏寺(ごふくじ)断層(左)や、下総層群中に認められる液状化による噴砂(右)のはぎ取り標本を展示します。これらは博物館開館直後の企画展「地震と房総」で製作したもので、久しぶりの登場です。この他、東日本大震災の液状化による噴砂(借用予定)や津波堆積物のはぎ取り標本も展示します。
 地層のはぎ取りは、はぎ取る面に布を当て、樹脂を吹き付けて固まったところでベリベリとはがしていきます。布の裏側に貼り付いた地層を向こう側から見るようになるので、野外で実際に見えている地層とは左右反転したものになります。
 

③防災・減災 街歩き―災害目線で街を歩こう!

・地域を歩けば災害の痕跡にあたる―各地に残る災害の痕跡や防災標識などの写真
・新旧の地形図や空中写真の比較、微妙な高低差を意識した街歩きなど、地域を調べる方法や情報を紹介
・市町村の防災マップや地すべり地形分布図など、各種各地のハザードマップのいろいろ

街歩きは楽しいよ
 
 
地震による隆起で形成された海岸段丘(南房総市)

津波避難築山(千葉県長生村) 
ふだんは公園として利用
街のあちこちに見られる土地の標高(高さ)を示す表示  

利根川水系利根川洪水浸水想定区域図(想定最大規模)(利根川下流河川事務所)


地すべり地形分布図など各種各地のハザードマップを紹介
 

④子ども達へのメッセージ

身近な地域のことを知っていると、いざという時役に立つ

・断層の仕組みがわかる模型、地質調査のジオラマなど見て楽しい展示があります
・防災カルタやすごろく、紙芝居、千葉県地形パズルなど、遊びもたくさん
・起震車体験(3/24)、地形模型作り(5/6)などの体験イベントもあります

 断層の仕組みがわかる模型
 断層の上のリアルな街がおもしろい
 チーバくん
千葉県地形パズル、9つのピースをつなげて千葉県のかたちが完成
  地形模型作りに挑戦(5月6日のイベント)
 


【関連行事】
観察会(事前申込み・抽選、保険料、資料代など必要) 
 3月10日(土)防災ジオツアー 津波避難ルートを歩く(旭市~銚子市)(定員20名)
 3月18日(日)海岸で化石を探そう〈埋立地に化石!?〉(定員30名) 
 5月13日(日)防災ジオツアー 「東京の低地を歩く」(定員20名)

体験イベント(随時) 
 3月24日(土)10:00~15:00「起震車に乗ってみよう」(参加無料)ほか 
 5月6日(日)9:30~15:30「簡単な地形模型を作ってみよう」(保険料・材料代必要)ほか

講演会(参加無料)
 3月25日(日)10:00~16:00 中央博物館講堂
「ところ変われば備えも変わる 自然災害とどう向き合うか?」(定員150名)
 講演者(予定:順不同) 
 風岡 修 氏(千葉県環境研究センター主席研究員) 
 浅尾一巳 氏(千葉県防災危機管理部防災政策課主幹) 
 宮城豊彦 氏(東北学院大学地域構想学科教授) 
 鈴木康弘 氏(名古屋大学減災連携研究センター教授)

シンポジウム(参加無料) 
 5月26日(土)10:00~16:00 中央博物館講堂 
 自然誌シンポジウム「大地の成り立ちを調べ、未来に備える」(定員150名)
・地域の特徴や成り立ちを調べ、自然災害とも向き合ってきた以下の専門家の方々に話をしていただきます  
 桂 雄三 氏(元文化庁主任文化財調査官・日本ジオパークネットワーク理事) 
 久保純子 氏(早稲田大学教育・総合科学学術院教授) 
 宍倉正展 氏(産業技術総合研究所地質調査総合センター活断層・火山研究部門海溝型地震履歴研究グループ長)

ミュージアム・トーク(展示解説)(入場料必要) 
 原則日曜日(3月25日は講演会のためありません) 
 3月21日(水祝)にも行います  
 11:00~ 14:30~(各回30分程度)